「無題 ―1[MONO]―」感想

アンドロイドをモチーフにした人肌で善なる物語。作中で描かれたどんな悲しみにも必ず救いが用意されていて、話の流れに必要だったから悲しませました、となおざりにされることがない。クミコとレイはもちろんのこと、熊谷が捨てられなかった「ゴミ」やハヤ…

舞台『刀剣乱舞』天伝雑感

千秋楽が近づいた時にふと思い立ってチケットが取れるのがライビュのいいところ、ということで刀ステは「天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-」を観に行ってきた。刀ミュは何作か映像配信で視聴済みだったが、刀ステは今回が初観劇になる。事前に楽しみにしていたポ…

生の観劇がやっぱ最高最高最高って気持ち/「ウェイトレス」を観た

5ヶ月ぶりに劇場に行き、「ウェイトレス」の東京公演を観てきた。ミュージカルというジャンルに絞ると、現地で観劇したのは2019年5月のレミゼが最後だったらしい。その間、いろいろなことが重なってほとんど舞台が観られない状態が続いた。また観劇ができる…

舞台のオンライン化について最近思っていることのメモ

2021年3月13日(土)に行われたEPADのシンポジウムの3部を視聴しました。その中から記憶に残ったトピックを思い出しつつ、最近考えていることを残しておきます。 舞台という形はもちろんだけど、何より現場で舞台を観ることが好きな自分は、現場のないオンラ…

「すばらしき世界」を観られる世界の素晴らしさ

役所広司を大和ハウスのCMのおじさんだと思っている人は一定数いる。自分もその一人だ。これだけ多くの出演作があって、見たことのあるタイトルは「THE 有頂天ホテル」だけ、それも中高生の頃に一度DVDかなにかで見ただけで記憶はおぼろげだ。映画俳優として…

ニケツをする者たち/「あのこは貴族」を観た

こういう映画がやっぱりどうしても好きだ。共感したとか自分の半生にどこか重なったとか陳腐な感傷をひけらかしそうになるくらいに。これまで生きてきて感じた苦痛や違和感や焦りが、この作品を自分の近くに存在するもののように見せてくれた。自分の人生に…

推しがいるから世界が輝く系映画かと思ったら/「あの頃。」を観た

松坂桃李が松浦亜弥のファンをやるということで、てっきり推しがいるおかげで世界が輝いて見えるという話だと思って観に行ったら、肩透かしを食らった形だった。ストーリーの中心にあるのは同じハロプロファンとして知り合った仲間うちのあれやこれやで、後…

初めてオンライン配信の舞台を観た備忘録

タイトルどおりの体験をしたので箇条書きで気付いたことをメモしておく。 ★これまで配信オンリーの舞台を観なかった理由 1.現場がない└現場に赴くにあたって以下のポイントを大きな楽しみとしていた ・行ったことのない駅に行くこと(駅から目的地へ向かう途…

刀ミュがまさかこんなに重量級な作品だとは思わなかった/真剣乱舞祭から『三百年の子守唄』へ

今さらだが刀剣乱舞が熱い。言わずと知れた人気タイトルだが、自分は高校時代の一番嫌いな教科が日本史だった。テストのたびに無勉で臨んではひどい点を取って答案返却時に必ず注意を受けていた記憶がある。とにかくそういった歴史系の作品に一切興味がなく…

雑感集2020

今年観た映画の感想かき集め。真面目に書いたのもあれば数行で終わったりもする。「わたしに××しなさい!」「貴族降臨」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「罪の声」「望み」「ミッドナイトスワン」があります。 「わたしに××しなさい!」(配信)先日、…

レッツゴー最高の人生その2

今年は自分の中で習慣になっていたいろいろな考え方が崩れて、新しい思考を持つことができたように思う。それらを後の自分のために読みやすい形ですべて残しておくべきだったのだけど、力尽きました。来年はもう少しこまめにアウトプットをやっていきたい。 …

推しがいる生活2020

昨日、推しができた。正確には、その人物がいま特別に自分の心をきらめかせてくれていることを昨日いよいよ認めた。この感覚を忘れないうちに記録すべく、今月初の定時退社をきめてブログを書いている。 その人をはっきりと認識したのは8月の上旬だった。直…

うたプリビギナーの初入国日記/『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』を観た

あらすじ映画館で号泣するのが趣味のわたしは今回の自宅閉じ込めにより娯楽を奪われ味気ない日々を送っていたが、動画配信サービスに契約したことがきっかけで、数年ぶりにアニメおよび声優ジャンルに足を踏み入れる。ある日、中のひと目当ての軽い気持ちでA…

幸の宝物は/「海街diary」を観た

フィルム撮影というものをはじめて意識したきっかけは「町田くんの世界」だった。光の切り取り方に力があって、誰かの言葉で世界が違って見えるようになるという主観的な感覚を、客観的かつ押し付けがましくないささやかさで実現していたのを覚えている。同…

レッツゴー最高の人生その1

2018年12月23日、登坂広臣さんによって「最高の人生」という概念がもたらされた。それを受けて人生に向き合うと宣言したものの、具体的に何をすればいいか見当もつかない。ほしいものがなかった。会いたい人も、食べたいものも、行きたい場所もない。推しに…

雑感集2019

ふせったーに置いた2019年の感想の転記です。 パンとバスと2度目のハツコイ ふみの恋愛観を理解できない初恋の人として健二郎さんがキャスティングされてるのはよかった。たもつだって世間からしたら不可解な愛をやっているのに、ふみの考えばかりがわからな…

あなたを知っていく物語/プリロワと綾小路葵

あらすじ 現実に疲れたわたしは気を紛らわすため、リリース時にDLしたもののチュートリアルも読み切れず一度諦めていたプリロワを真面目にプレイすることにした。 ※プリロワと綾小路葵(と時々さのれおくん)についてとりとめなく書いたメモです。 ※個別スト…

「きみと、波にのれたら」はラブストーリーではない

公開初日のレイトショーにいそいそと足を運んだわたしは、うっすら後悔しながら打ちひしがれていた。「きみと、波にのれたら」が恋愛を主題とする物語であるならば、あまりにも救いがない。わたしは自分の薄弱な心を守るために断言する。これはラブストーリ…

無題もしくは詩について/映画「この道」を観た

かつて、歌のテストというものがあった。音楽準備室にひとりずつ呼ばれ、先生とマンツーマンで課題曲を歌うあれだ。学生時代は歌うのが好きだったけれど、そういう場面で褒められたのは2回だけ。ひとつは、中2のときの「赤とんぼ」。もうひとつは、高1のとき…

恭介というひとりの人間/「去年の冬、きみと別れ」を観た

一度予告を目にしただけで他に前情報を入れずに、軽い気持ちで「去年の冬、きみと別れ」を観はじめた。前半は相当消耗したのだけれど、後半に入ったらいつのまにかすべては終わっていた。種明かしの直前にそういうことか!と叫んだし、しかも自力でわかった…

あなたのハイローはどこから?と聞かれたら

わたしはザ湯から!と答える。 2018年8月、山下健二郎さんの主演舞台が遠い昔のように感じる。わたしは観劇が趣味で、最近は若手舞台俳優を推している。あの作品のキャストの中にもツイッターをチェックしているひとが何人かいた。そのつながりでビジュアル…

「最高の人生」に向き合う/FULL MOONファイナルのライビュを観た

4年ほど人生をやめていた。間違った選択をして、この先の人生がおしまいになった。と思ってきた。やり直したい、でもそれはできないから人生をやめたい、名実ともに終わりにしたいと思ってきた。 いちばん落ち込んでいるときは、当時の推しの映像を流してい…